サイト制作を行っていると、
「見たこともないようなサイトを作りたい」「保育園だけど、あえて美容室のようなサイトにしたい」「よく見るようなサイトにはしたくない」といったご要望をいただくことがあります。
もちろん例外はありますが、実はインスパイアではこういったデザインはあまりおすすめしていません。
それは、”サイトデザイン”が何のためにあるのか、という考え方がもとになっています。
今回はそんな中でもよく持ち上げられる「アートとデザインの違い」について改めてお話しさせていただきます。
■「アート」と「デザイン」はどう違うのか?
「アート」と「デザイン」、なんとなく似てるようで、実は根本的に役割が違います。アートは自己表現や感性を大事にするもので、「自分が表現したいこと」が中心。一方、デザインは「誰かに何かを伝えるため」に作るもので、見る人や使う人のことを考えて作られます。サイト制作ではこの2つが混ざりがちで、「オシャレだけど使いづらいサイト」になる原因にも。自分の世界観を大切にするのは大事ですが、それがユーザーに伝わらないと、Webサイトとしてはちょっと残念かもしれません。
■アート寄りのサイトが抱えやすい問題点
デザインというよりアート寄りに振り切ったサイトって、たまにありますよね。世界観が強くて「かっこいい!」とは思うけど、どこをクリックすればいいのかわからなかったり、情報がどこにあるのか見つけづらかったり。これは「誰かに見せたい」よりも「自分が作りたい」に重きを置いた結果、ユーザー目線が抜け落ちてしまうパターンです。ビジュアルは魅力的でも、使いづらければ離脱されてしまう…。アートとしては良くても、Webサイトとしては機能しにくいという落とし穴です。
■「見た目が良い」だけではダメな理由
「とにかくオシャレにしたい」「かっこいいサイトがいい!」という声はよく聞きます。でも実際のところ、見た目が良いだけでは思ったほど効果が出ないことも多いんです。なぜかというと、サイトの目的が「見てもらう」だけではなく「園を知ってもらう」「問い合わせてもらう」など“行動してもらう”ことだからです。デザインには、導線設計や情報の整理といった「見やすさ」「使いやすさ」も大事です。美しさだけじゃなく、ちゃんと“動いてもらえるデザイン”を意識することがポイントです。
■成果に繋げるための「デザイン」の考え方
成果につながるサイトを作るには、まず「誰に、何をしてもらいたいか」を明確にすることが大事です。そのうえで、ターゲットに合ったトーンや色づかい、情報の配置を考えるのがデザインの仕事。もちろん、アート的な表現で印象に残すのも効果的ですが、それだけに偏ると本来の目的からズレてしまうこともありバランスが大切です。オシャレだけど迷わない、印象的だけど伝わる、そんなデザインを目指すことで、見た目と成果のどちらも両立できますよ。
■サイト制作における「最適解」の存在と個性のバランス
サイト制作には、効果を最大化するための「最適な見せ方」がそれぞれのコンテンツにいくつか存在します。例えば、ナビゲーションの配置やCTA(行動喚起ボタン)の置き方、情報の整理方法など。これらの“最適解”をうまく組み合わせていくと、結果的に多くのサイトが似た構造やデザインになりやすいのです。だから「どのサイトも似ている」と感じる人がいるのも納得ですよね。一方で、こうした決まった枠組みをしっかり守れば、安心して個性的な表現やブランドの特色を盛り込むことができます。つまり、土台の「最適解」を外さなければ、個性と使いやすさのバランスは意外と簡単に取れるのです。
■まとめ
サイト制作は、見た目のカッコよさや個性を出すことも大切ですが、やはり「ユーザーに使いやすく、目的を達成させること」が本質です。アートとデザインの違いを理解し、最適解と呼ばれる基本的なルールを押さえたうえで個性を活かすことで、初めて成果の出るサイトになります。似た形が多いのは、それだけ効果的な型がある証拠。ぜひその型を活用しつつ、自分たちらしいサイトづくりにチャレンジしてみてくださいね。